停滞前線の影響で16日までに全国各地で激しい雨が降り、少なくとも4人が死亡、5人が行方不明になった。総務省消防庁によると、浸水などによる住宅被害は福岡県を中心に計約4100棟を超えた。国土交通省は18都府県で計67件の土砂災害を確認。地盤が緩んだ場所では少しの雨や小さな地震で危険度が高まるため、気象庁は引き続き厳重な警戒を呼び掛けている。
気象庁によると、17日は西日本から東日本、東北にかけて再び大雨となる恐れがある。前線は20日ごろまで日本付近に停滞する見込みで、雨の降り方次第では場所によって、特別警報級の大雨になる可能性がある。
消防庁によると、市町村が出す最高レベルの避難情報「緊急安全確保」の対象は15日に一時、千葉、長野、島根、広島、福岡、佐賀、長崎各県の計約83万世帯約183万人に達した。
長野県岡谷市では15日、住宅が土石流に巻き込まれ、女性(41)と中学1年の次男(12)、小学2年の三男(7)が死亡、2人が軽傷を負った。女性1人の死亡が確認された長崎県雲仙市の土砂崩れ現場では安否不明の夫と娘の捜索が続いた。熊本、広島両県でも3人が行方不明になった。
14日には長崎県西海市で用水路に倒れていた70代の女性2人が死亡し、県警が雨との関連を調べている。岐阜県下呂市では国道41号の一部が崩落。飛騨川が増水し、道を削ったとみられる。
11日からの総雨量は16日午後8時現在、佐賀県嬉野市1075・0ミリ、長崎県雲仙市(雲仙岳)1023・5ミリ、長崎市(長浦岳)981・0ミリ、熊本県山鹿市906・5ミリ、福岡県大牟田市901・0ミリ、宮崎県えびの市871・0ミリなどとなっている。