【吉賀】清流高津川の水源、島根県吉賀町田野原の大蛇ケ池で15日、伝統の雨乞い神事があった。わらで作った巨大な竜を男衆が担いで池に飛び込み、水しぶきを上げて豪快に暴れさせた。
池はスサノオノミコトに討たれたヤマタノオロチの霊がすみ着いたとされ、干ばつに見舞われた際、わらの竜を池に入れて雨乞いすると、たちまち雨が降ったと伝わる。1939年を最後に途絶えていたが、地元住民が92年に復活させた。
わらの竜は長さ約10メートル、重さ約100キロ。神事を受け継ぐ若杉会(大庭正和会長)が、吉賀高校の生徒と一緒に手作りした。
神事の担ぎ手は生徒9人を含む18人が務め、竜を池にくぐらせるように上下に激しく乱舞させた。大勢の見物人が池を囲み、男衆の勇ましい姿をスマートフォンやカメラで撮影した。
横浜市出身で2022年に移住した同町下高尻の自営業長田真さん(37)は、担ぎ手として昨年に続き参加し「池の水が冷たかった。伝統を守りつないでいることにすごさを感じる」と話した。
(吉田雅史)