<短歌>

 ◇湖笛会松江(松江市)

苑のめぐり小さき雑草の淡き芽は春陽を反しなべて光りて 小須賀倶子

PCRすませて帰郷したと言ひ曾孫駆け寄り強くハグして 福島 伸子

毟らぬまま年を越えたる小蜜柑の枝々にびっしり花の付きをり 川井 恭子

草叢のなかに明るき花ありてたたずみてをり無住の庭に 古志 節子

人はいさ佇む川辺に涙出づわが町は消え水匂ふのみ 安部 洋子

すれ違いざまにわが目に残りたる山に住む人の深...