日本列島周辺で地震活動が活発化している。南海トラフ巨大地震は「30年以内の発生確率が80%程度」とされ、危機感が募る。各地に残る文献や遺跡、津波堆積物などの調査成果から、災害の歴史と教訓を探った。
日本書紀にも
「大地震があり、山が崩れ、川があふれた。諸国の官舎や寺社が倒壊。伊予の湯泉(松山市・道後温泉)が出(い)でず。土佐国(高知県)の田畑が没して海となった」
「日本書紀」によると、天武天皇が中央集権的な律令(りつりょう)制度の構築を目指していた684年、西日本の広い範囲が激しく揺れ、太平洋沿岸を大津波が襲った。記録に残る最古の南海トラフ地震で...