「なんだこれは?」

 見る者をぎょっとさせる建物が、東京都三鷹市にある。円柱形と立方体が組み合わさった構造物が、赤、青、黄、緑などの原色で彩られ、どこかのテーマパークのパビリオンが突如、住宅街に出現したかのようだ。

 「三鷹天命反転住宅」。芸術家で建築家の荒川修作と詩人のマドリン・ギンズが建てた一種の実験住宅だが、全部で9戸の部屋のいくつかには、実際に人が住んでいる。

 室内は外装の丸と四角が内部に食い込んだように入り乱れ、カラフルに塗り分けられた壁や天井に...