新型コロナウイルスの入院患者を受け入れていた大阪市福島区の松本病院を運営する医療法人友愛会が26日に大阪地裁に民事再生法の適用を申請したことが28日、友愛会への取材で分かった。

 帝国データバンク大阪支社によると、コロナ入院患者受け入れの医療法人の経営破綻は全国初。負債総額は約52億円。

 友愛会は、すでに他の事業者と事業譲渡に向けて基本合意を締結しており、機能を維持しての再生を目指すとしている。担当者は28日、取材に応じ、31日に大阪市中央区で債権者説明会を開くことを明らかにした。

 帝国データバンクによると、松本病院は内科や外科など幅広い外来診療に加え、24時間の救急医療にも対応する地域の中核病院。新型コロナ禍前から新病棟開設に伴う先行投資の負担が重く、経営状況は厳しかった。

 今年1月からは大阪府の要請を受け、新型コロナの軽症と中等症の患者を一部の病床で受け入れていたという。

 帝国データバンクは、新型コロナによる外来患者の減少の影響もあったとしているが、病院側は「(破綻は)法人経営の稚拙さに起因するもの。感染者の受け入れで外来患者数が落ち込み、経営を圧迫した事実はない」としている。