大手百貨店が1日、2022年正月のおせちを発表し、商戦本格化に向け早くも始動した。新型コロナウイルス流行下の衛生意識の高まりに配慮し箸で取り分けなくて済む1人前おせちの取り扱いが一段と拡大する。客が来店する必要のないオンライン注文も普及する見通しだ。
高島屋は今月17日からオンラインで約1150種類の予約販売を始める。小ぶりなサイズの1人前おせちは和風、中華風と幅広く取りそろえ、正月に集まる家族の人数分だけ同じ商品を注文するケースが想定されるという。担当者は「帰省が難しい場合は、遠方の親族に同じおせちを送ることもできる」と話す。
外食控えが長引く中でプロの料理を食べてもらおうと、人気レストランが手掛けたおせちを用意した。野菜中心のビーガン(完全菜食主義者)向けおせちが好評を得ており、今回も販売する。
松屋は1人前おせちを前回の7種類から11種類に増やした。顧客アンケートでは6割超が22年用のおせちを購入すると答え、約2割の自宅で作るとの回答を大きく上回った。
大丸松坂屋百貨店はオンラインの売上高目標を前年比30%増に設定した。保存期間の長い冷凍おせちなどを展開する。