認知症になっても暮らしやすい地域づくりを啓発するイベント「RUN伴(とも)しまね2025in温泉津」がこのほど、大田市温泉津町であった。認知症ケアに携わる医療、福祉、行政関係者や家族会の計70人が温泉街を歩き、認知症への理解や住みやすい社会の実現を呼びかけた。
「RUN伴」は認知症患者と住民が一緒に走るイベントとして北海道で2011年に始まり、全国に広がった。互いに交流し、理解を深め、情報発信する狙いで、島根県では「RUN伴しまね実行委員会」が17年から取り組む。
今年は伝統的な町並みが残る温泉津温泉街を舞台に開催した。認知症支援のシンボルカラー・オレンジのTシャツやタオルを身に着け「みんなで築く 認知症のひとにやさしいまちづくり」ののぼり旗を手に、温泉街を1時間かけて歩いた。
認知症については、国・地方公共団体に「認知症施策の策定と実施をする責務がある」とした認知症基本法が24年1月に施行された。実行委員長の島根県作業療法士会、小林央(ひさし)会長(49)は「認知症は誰もがなり得る。気遣いや応援が広がることでもっと住みやすい社会になる」と話した。
(勝部浩文)












