「これほどの数の版本を一度に見る機会はめったにない」-現在、島根県立美術館で開催中の北斎展をご覧になった各方面の研究者が、異口同音にこのように語ってくださっています。会場には約500冊の版本が並び、本展のキャッチフレーズ「いざ圧巻の本の渦へ」を、多くの方に実感いただけているようです。

 本展は、2017年度、北斎研究の第一人者であった故永田生慈(ながたせいじ)氏(1...