涙ぐみながら記者の質問に答える、丸山達也島根県知事=松江市殿町、島根県庁
涙ぐみながら記者の質問に答える、丸山達也島根県知事=松江市殿町、島根県庁

 島根県の丸山達也知事が17日、松江市内で臨時に開いた東京五輪聖火リレー県実行委員会(委員長・佐藤正範県環境生活部スポーツ振興監、13人)で、県内で5月に開く予定の聖火リレー中止検討を正式に表明した。新型コロナウイルスの感染拡大が封じ込められない政府と東京都の対応をあらためて批判。聖火リレー開催可否の判断は「状況の推移を1カ月程度見る」と説明した。

 丸山知事は、実行委やその後の会見で、現状のまま五輪が開催されれば、感染の第3波と同じように感染拡大と経済悪化を招きかねないと主張。「アスリートやランナーの皆さんの気持ちを考えると大変心苦しいが、今の状況が続く中で、五輪とそれにつながる聖火リレーの開催を賛成できない」とした。

 東京都の対応については緊急事態宣言が再発令された1月、保健所の調査機能を縮小し、濃厚接触者や感染経路の特定が一部でできなかった点を指摘。世界中から競技者を受け入れる五輪で感染がさらなる拡大局面に入り、島根にも影響が及ぶ懸念を示した。

 さらに、第3波で生じた政府による緊急事態宣言が出た地域と、島根など感染者が少ない地域との支援の差にも言及。「著しく不公平な対応で、もう一度都が感染拡大を助長するようなイベントの開催は理解できない」と訴え、国の財源で県内飲食店への給付金を求めていくとした。

 丸山知事は今後、こうした主張を政府へ直接行うことを検討する。

 政府や都の対応に改善がない場合は、大会組織委員会と結ぶ協定の解除規定を適用して中止に踏み切る考えだ。

 組織委と県の協定文書は非公開で、県によると組織委に違反があるにもかかわらず是正しない場合は県も解除できるとの記載があるという。

 丸山知事は、組織委が手配、費用負担することになっている聖火ランナーの輸送、回送について、隠岐に関して県実行委に求められている点を「協定違反」としており、協定解除の根拠とする用意があるとした。