菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明した3日、インターネット上では早くも次期総裁候補と目される人の名前が飛び交った。同日、出馬の意向を示した「河野さん(河野太郎行政改革担当相)」や、出馬を予定する「岸田さん(岸田文雄前政調会長)」「高市さん(高市早苗前総務相)」がツイッターで次々にトレンド入りする中、衆院鳥取1区の石破茂元幹事長を指す「石破さん」も続いた。(Sデジ編集部・吉野仁士)
検索数などを比較できるグーグルトレンドで、石破茂、岸田文雄、河野太郎の3氏の名前の検索数を調べてみると、菅首相が不出馬を表明した午後1時ごろから岸田文雄氏の注目度が上がり始め、河野太郎氏は出馬意向を固めたという報道があった同4時が最高だった。石破氏も同1時ごろに上がり、ニュース番組に出演し始めた同5~6時にピークを迎えた模様だ。3日午後8時半までの24時間で、3氏の検索数の推計割合は、石破氏が15%、岸田氏が44%、河野氏が41%だった。

石破氏は政治家の中ではメディアへの出演が多い。討論などの際、独特の口調でわかりやすく、時に党の古い体質について物おじすることなく切り込む姿勢が印象的だ。
ツイッターでも、「石破総理で一気にコロナ禍を解消して欲しい。反対を押し切れる芯の強さが石破さんの魅力だろうね」「次期総理は石破さんがいいかなあ。国はこうあるべきってビジョンが一番ハッキリしてそう」「私は石破さんファン。霞ヶ関では嫌われるが、国民には人気がある」など、かんで含めるような物言いを評価する声が相次いだ。
ただ、石破氏は総裁選にこれまで4度立候補し、いずれも敗れた。昨年の総裁選では自派閥の慎重論を押し切って挑んだ結果、最下位に沈み、自派閥の所属議員が減少するという苦い過去がある。
「石破さんは応援してくれる議員集めないと始まらない」「石破さんはラストチャンスだね。ただし、推薦人があつまるかどうか・・・・」「石破さんだめだとは思わんけど、なんだか党内でも孤立してるのが心配だ」と、党内での求心力を疑問視する声も散見された。
ツイッター上では次期総裁の予想だけでなく、菅総理の不出馬を受けた反応も多く見られ、愛称の「ガースー」がトレンド入りした。
「コロナ禍の中お疲れさまでした。携帯料金下げてくれてありがとうございました」「ガースーは最初から火中の栗を拾う形だったけど、ワクチン接種の迅速さはホントよくやってくれたと思う。パンケーキ奢ってあげたい」と政策を評価しねぎらう声が多くを占めた。ただ、「コロナを方便に使わないでほしい」「非常事態の時に真価をはっきできない人は総理をするべきじゃない」と不出馬の理由や突然の辞意をとがめる厳しい声も少なくなかった。