持続可能な農業について意見を述べるパネリスト=浜田市野原町、島根県立大浜田キャンパス
持続可能な農業について意見を述べるパネリスト=浜田市野原町、島根県立大浜田キャンパス

 持続可能な農業を考えるシンポジウムが11日、浜田市野原町の島根県立大であった。研究者や学生らが田畑を耕さず作物を育てる不耕起栽培や、中山間地域の有機農業を分析した調査内容を報告し環境負荷が少ない農業を考えた。

 島根大の金子信博客員教授(土壌生態学)が、化学肥料の多用や、微生物の分解機能の低下に伴い土壌が悪化する中、世界的に導入が進む不耕起栽培を紹介。ライ麦を植えて雑草を防除するなどの手法を説明した。日本では種をまく機械の未普及など課題がある一方、耕す手間や燃料費削減につながると語った。

 島根大法文学部の学生グループは、国の地域経済分析システムで島根県吉賀町の農業の付加価値が低いとデータで示されたことに着目。有機農業が盛んな同町柿木地区で調査すると、営利でなく自給自足が目的の農家が多く、数値では測れないと述べた。農家に出荷を促すため巡回する移動式加工車の運用も提言した。

 シンポジウムは、全国の研究者らでつくる環境経済・政策学会(約千人)の創立30周年記念の一環で会員有志が開き、県内農家や研究者、学生計9人のパネルディスカッションもあった。(宮廻裕樹)