2024年1月の海上保安庁機事故で亡くなった乗員たちの追悼歌「忘れない」のCDジャケット
2024年1月の海上保安庁機事故で亡くなった乗員たちの追悼歌「忘れない」のCDジャケット

 「天災は忘れた頃に…」の戒めもあるが、新年早々でもやって来る。6日に山陰で最大震度5強を観測した地震も、心のどこかで「来たか」と受け止めたように思う。2024年元日に起きた能登半島地震の教訓だ。

 2年前はその翌日、羽田空港で旅客機と地震の支援物資搬送中だった海上保安庁の航空機が衝突し、海保機の乗員5人が死亡。炎と黒煙に包まれる機体に、テレビの前でただ呆然(ぼうぜん)とした。

 『忘れない』。シンガー・ソングライターのORi-ZURU KAORI(オリヅル・カオリ)こと、米子市出身の田中佳織さん(54)=岡山市在住=が作った、乗員たちの追悼歌だ。<忘れないよ/忘れないよ/みんなを助けてくれた>。暮らしの安心・安全を、命懸けで守る海保の任務。歌に込めた思いを「亡き人たちの魂を入れて一緒に作った」と取材に語っていた。

 CDは通算27枚目。気持ちに寄り添う歌が多い。姉とのユニットで始めた音楽活動は、2枚目からソロに。「シンガー・ソングライターなんて言ってもいいのかな」と悩んだ時期に、見つけた答えが「魂の歌」だった。

 似たタイトルの『君を忘れない』という追悼歌もその一つ。06年1月のJR伯備線やくも号死傷事故で、保線作業中に亡くなった3人のうちの1人、島根県邑南町出身の上田伸也さん=当時(21)=をしのぶ。忘れてはいけない。あの事故から今月24日で、丸20年になる。(吉)