昨年の大相撲秋場所で大の里(手前)を突き落としで破った伯桜鵬。初場所から「伯乃富士」として臨む∥2025年9月、両国国技館
昨年の大相撲秋場所で大の里(手前)を突き落としで破った伯桜鵬。初場所から「伯乃富士」として臨む∥2025年9月、両国国技館

満開を前に「桜」が散った。いや消えた。きょう初日を迎える大相撲初場所。倉吉市出身の22歳のホープ伯桜鵬はしこ名を「伯乃富士(はくのふじ)」に改めて、両国国技館の土俵に上がる。

 昨年末、伊勢ケ浜部屋に所属する9人が一斉に改名した。そのうち伯桜鵬を含む8人は、元横綱白鵬の宮城野部屋出身力士。不祥事で部屋が閉鎖され転籍した。改名を打診した元横綱照ノ富士の伊勢ケ浜親方は「みんなで一つの方向に向かって頑張っていく気持ち。(改名は)気持ちよく受け入れてくれた」と説明した。とはいえ前の師匠の「鵬」の文字が消え、代わりに「富士」が付くのは、「どちらの師匠を選ぶのか」と忠誠心を問う踏み絵のように思えてしまう。

 「鵬」がなくなるのは仕方ないにせよ、残念なのが伯桜鵬のしこ名から「桜」の文字が消えたことだ。同じ倉吉市出身の第53代横綱琴桜を顕彰する大会で、自身が相撲を始めるきっかけになった「桜ずもう」からもらっていた。

 それでも本人は「本当に伊勢ケ浜部屋力士としてのスタート」と心機一転を強調。初場所を前に「今年は僕に期待してください。幕内初優勝と三役昇進。有言実行する」と宣言した。

 しこ名で唯一残った「伯」の文字は、鳥取県の旧名の「伯耆国」から取ったもの。伯乃富士のしこ名を見て「伯耆富士」の異名を持つ名峰・大山を連想する人も多いだろう。角界の頂上に向けた仕切り直しだ。(健)