「若者言葉」が気になり始めたら年を取った証拠だが、「テレビ言葉」が気になり始めたらとうとう時代遅れになったかと不安になる。最近気になるのは「訪ねる(たずねる)」と「訪れる(おとずれる)」の使い方。
たずねるは人に会いに行く時や目的を持って動く際に使う。アナウンサーが中継で「○○をおとずれました」と話すのには違和感があり、物見遊山でも、あれが見たい、食べたいが伴えば「たずねる」ではないのかと。
一方、おとずれるには春がおとずれる、ようやく平穏がおとずれる、というように、向こうからやって来る幸運を表す使い方もある。外国人の訪日(インバウンド)は8兆円産業に成長し、日本経済におとずれた追い風だ。
そんな訪日客の中でも、高い飛行機代をかけ、わざわざ日本の回転ずしを食べに来る旅行者などは、「たずね」来た人といえるだろう。今や訪日客の8割を占める個人旅行客は団体客より消費額が高めで、特に出会いや体験に惜しみなくお金を使う傾向がある。
日中関係の冷え込みから、中国が日本への渡航自粛を呼びかけた。例年繰り返される「春節」の訪日客が減るかもしれない。混雑による観光公害が緩和する期待もあるが、観光業は適度な人の流れで安定してくれるのが望ましい。日本の地方からも「たずねたくなる」魅力を発信しつつ、風の変化がおとずれることを待つしかないのかもしれない。(裕)













