首相公邸を出る高市早苗首相(右端)=12日午前
首相公邸を出る高市早苗首相(右端)=12日午前

 元日の初詣で引いたおみくじは「凶」だった。ただ、物は考えよう。同じように凶を引いたプロ野球選手は前向きに捉え、「強」を求めて基礎的な筋力トレーニングを積み重ねているという。

 「強」といえば『「強」い経済』の実現を目指す高市早苗首相が、通常国会冒頭で衆院を解散する意向を固めた。物価高対策など「経済最優先」を訴え、政策本位の政治が当面続くとの見方があった中で、東京・永田町は風雲急を告げている。有権者に何を判断してもらうのか。政局優先の思惑が透ける中、首相の言葉を待ちたい。

 人口減少が進む島根県出身として「強い経済」が前面に出た政権運営に違和感を覚える。2025年12月に閣議決定した地方創生の総合戦略で政策目標の一番目に掲げた。「豊かな生活環境」と「選ばれる地方」も示すが、これから調査した指標を基に政策の実現を目指すという。人口が急減する地方の衰退を食い止められるか。スピード感に疑問が残る。

 そもそも石破茂前首相の看板政策だった地方創生への関心は薄い印象だ。前政権時代はあった国の当初予算案を巡る記者への事前レクチャーは現政権ではなく、積極的に情報発信しようとする姿勢も感じられない。

 成長戦略はもちろん必要だが、地方、とりわけ疲弊に歯止めがかからない山間部や離島にもっと目を向けてほしい。地方の維持・発展への「協」力を願う年明けである。(吏)