「厩図屏風」を紹介する佐々木杏里学芸員=出雲市大社町杵築西、手銭美術館
「厩図屏風」を紹介する佐々木杏里学芸員=出雲市大社町杵築西、手銭美術館

 出雲市大社町杵築西の手銭美術館で、新春を彩る美術品を集めた企画展「ハツハル」が開かれ、干支(えと)の「午(うま)」を題材にした屏風(びょうぶ)や掛け軸、縁起物を描いた杯などに来場者が見入っている。2月8日まで。

 松江藩主や幕府要人が出雲大社を訪れた際に宿泊した御用宿だった手銭家に伝わる江戸期の作品を中心に21点を展示した。

 このうち、馬をつないでいた厩(うまや)の様子を描いた「厩図屏風」は古土佐派の江戸前期の作品。たてがみまで繊細な筆致で描き、躍動感がある。武家の時代、厩は財力や権力の象徴で、馬が大切にされていたことを伝えている。

 「馬猿図」は1872(明治5)年、手銭家に長男が誕生した際、当主が地元出身の日本画家・堀江友聲(ゆうせい)に描かせた。当主の干支の馬を長男の干支の猿が引く絵柄で、家の繁栄を願う気持ちを表している。馬の姿と長文の漢詩が描かれた巻物「野馬揃」も初公開した。

 長寿の象徴とされる鶴や亀、海老(えび)の蒔絵(まきえ)が施された杯のほか、大型で五枚組の杯は、全てを満たすと「末広がり」の八升の酒が入り、目を引いていた。

 佐々木杏里学芸員は「昔の人の新春を喜ぶ気持ちを感じながら、作品を楽しんでほしい」と来場を呼びかけた。火曜休館。入館料は大人800円、高校生以下無料。

 (佐野卓矢)