自転車通学の学生たちにヘルメットの着用を呼びかける警視庁成城署員ら=2023年4月、東京都世田谷区
自転車通学の学生たちにヘルメットの着用を呼びかける警視庁成城署員ら=2023年4月、東京都世田谷区

 街で通りすがる姿を意識して見ると、やはり小勢のようだ。自転車乗車時のヘルメット着用が改正道路交通法で努力義務となってから、この春で丸3年。昨年の全国調査で着用率はおよそ2割にとどまり、浸透しているとは言いがたい▼頭部を守り重大事故を防ぐ効果があると分かってはいても、面倒くさい、駐輪時に持ち運ぶのが不便、見た目がダサい…といった理由からかぶりたがらない。高校生や学生ら若者には髪形の乱れを気にする声が多いのだそう。気持ちは理解できる▼ならばと警視庁は企業や大学、専門学校と連携し、「かぶりたくなるヘルメット」の開発を進めているという。昔と違い、選ぶのに迷うほどヘルメットの商品は増えた。もっとおしゃれで実用的なものを求め、流行に敏感な若者たちが知恵を絞る▼それにとどまらず、かぶっても崩れにくく、映える髪形やすぐにリセットできるスタイリング方法の提案までする。「安全のためにかぶりましょう」と呼びかけるだけでは、人は動かないということだろう▼ヘルメットの着用率ほどでないにせよ、低迷しているのは選挙の投票率も同じ。「大事な1票を投じましょう」と、いくら叫んでも響かない。投票に行きたくなるような仕掛けが何かできないものか。ましてや投票日が1週間後に迫った衆院選は異例となる真冬の超短期決戦。投票率の行方がいつにも増して気がかりである。(史)