地震の影響で崩れ、道をふさいだ石垣=1月6日、鳥取県伯耆町上細見
地震の影響で崩れ、道をふさいだ石垣=1月6日、鳥取県伯耆町上細見

 電撃的な衆院解散・総選挙の“激震”で記憶が遠くに飛んでしまいそうだが、年明けの島根県東部を震源とする最大震度5強の地震発生から、きょうで1カ月。来月11日には東日本大震災から15年の節目を迎える。改めて地震への備えの大切さを思う。

 あさって投開票を迎える衆院選でも、山陰両県の小選挙区に立候補した多くが「防災庁」の設置の必要性に言及している。これについては、昨年12月に「防災立国の推進に関する基本方針」が閣議決定し、準備が進んでいるため、選挙の結果がどう転んでも覆ることはないだろう。

 できるのは良いとして、問われるのは既存の省庁が担う防災関連の業務に対する統制機能。巨大官庁である国土交通省が主に担う「国土強靱化(きょうじんか)」は、公共事業に直結するだけに選挙で候補者が訴えやすい項目ではあるが、限られた財源の中で主眼を開発から修繕、長寿命化へシフトする必要があり、そうした“省益”に関わることまで口出しができるだろうか。

 既に内閣官房の防災担当職員を大幅に増強しているものの、できた組織が「屋上屋を架すような」ものになっては元も子もない。防災立国と言うからには、一官庁に責任を押し付けるのではなく、どのような政権になっても首相がリーダーシップを発揮できる体制とすべきである。

 日本人、外国人の区別なく人命を守る「防災ファースト」の組織と政権運営を望みたい。(万)