久しぶりに会った彼は、以前と同じように堂々としていた。

 1月、東京六大学野球リーグ慶応大4年の常松広太郎外野手は、横浜市の大学キャンパスで記者会見し、メジャーリーグのカブスとマイナー契約を結んだと述べた。

 リーグ戦で合計4本塁打を放った主軸。プロ野球を目指し、プロ志望届を提出したが、昨秋のドラフト会議では指名されなかった。

 当初の進路予定は、アメリカの金融大手ゴールドマン・サックス。社員の年収は数千万円超とも言われる世界的な企業だ。それをなげうって挑戦する。

 会見では堂々と抱負を語った。

「小さい時からの憧れの舞台を目指せるのは、恵まれている。一番大きな挑戦をしたい」

 私は慶応大野球部OBで、常松選手より3学年上だった。在学中は学生スタッフとして彼に接した。会見を見て、彼がその決断に至...