「歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン」  (C)カラー   (C)カラー/Project Eva.   (C)カラー/ EVA製作委員会
「歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン」 (C)カラー (C)カラー/Project Eva. (C)カラー/ EVA製作委員会

 『エヴァンゲリオン』シリーズ30周年を祝うフェス『EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION』(エヴァフェス)の最終日が、本日23日に横浜アリーナで開催された。歌舞伎と初コラボレーションする「歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン」がお披露目され、観客を魅了させた。

【写真】気になる!宙を舞うカヲルくん 『エヴァ歌舞伎』の様子

 歌舞伎界のプリンス・尾上左近が渚カヲル役、歌舞伎界のホープ・上村吉太朗が碇シンジ役を務め、制作スタッフとして脚本・演出を手がけるのは、古典と現代を融合した新作歌舞伎で話題の戸部和久、振付は歌舞伎の古典から新作まで圧倒的な数の作品を担当・創作している藤間勘十郎、音楽の作曲は雅楽師として宮中でも活躍中の山田文彦ら、豪華スタッフによる前代未聞のステージが開幕となった。

 本作は交響曲第九番に創意した、歌舞伎舞踊曲、急番によって描かれる、渚カヲルを主人公とした『エヴァンゲリオン』の歌舞伎舞踊。物語は、宇宙の始まりを予感させる雅楽の奏楽から静かに幕を開ける。

 闇の中で爪弾かれる和琴や鈴の音、そして大太鼓の轟きと共に、ステージには黒鳥神と白鳥神が降臨。光と闇、黒と白が互いに惹かれ合い、時に引き離されるその連舞によって、『エヴァンゲリオン』が持つ根源的な二面性を、目も眩むような美しさで描き出す。

 やがてスクリーンに地球と月が映し出されると、その中央から渚カヲル(尾上左近)が静かに降臨。万雷の拍手の中、静かに佇み、愁いを湛えて舞い踊る──その一挙手一投足のあまりの美しさに、会場中が息を呑んだ。

 続いて、紅き海を背に烏帽子姿の碇シンジ(上村吉太朗)が登場。ついに運命の邂逅を果たした二人は、笛と鼓を響き合わせ、連れ舞をする。邦楽のオーケストラのしらべに乗せて情緒豊かに描かれる、二人の通い合う心。ファンにはたまらない至高の演出に、会場全体が深く酔いしれた。

 絢爛豪華な群舞が盛り上がりを見せるなか、さらに鮮烈な衣裳に身を包んだ二人が再登場。薙刀を握るカヲル、剣を構えるシンジ。火花を散らす凄烈な立廻りに、会場のボルテージは一気に沸点へと達する。

 そして物語はクライマックスへ。カヲルが高く宙へ浮かび上がり、空中で鮮やかに見得を切ると、観客の興奮は最高潮に。客席の上を優雅に舞い続けるカヲルのあまりの神々しさに、会場中が騒然。鳴り止まぬ拍手と歓声が、会場を一つに包み込んだ。

 古典芸能の様式美に則りながらも、圧巻の映像美との融合で、『エヴァンゲリオン』の魂を解き放った『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』。終幕後も拍手は鳴り止まず、この革新的な歌舞伎舞踊はファンの心に深く刻まれた。