山本幡男さんのシベリア抑留生活を演劇で披露する中学生=島根県西ノ島町浦郷、ノアホール
山本幡男さんのシベリア抑留生活を演劇で披露する中学生=島根県西ノ島町浦郷、ノアホール

 終戦後、シベリアで亡くなり作家・辺見じゅんさんのノンフィクション「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」のモデルになった島根県西ノ島町出身の山本幡男さんの抑留生活を描いた演劇が18日、町内で披露された。総合学習で学びを深めた西ノ島小中学校の中学生が、過酷な収容所生活でも希望を失わず仲間や家族への思いを貫いた山本さんの生き方を表現した。 (森山郷雄)

 ロシア語が堪能だった山本さんは旧ソ連からスパイ罪にかけられ戦後9年間、抑留生活を強いられた。

 生徒たちが、飢えや重労働の極限生活の中でも「希望を捨ててはいけない」と先頭に立って仲間を励まし続け、帰還を目指す山本さんの強固な意志が伝わる舞台を演じた。

 家族に宛てた遺書が、複数の戦友が暗唱する形で届けられた史実を披露。家族の苦悩が交錯する物語を感情あふれるせりふで表現し、鑑賞した保護者の涙を誘った。

 今春から小中一貫校となり、中学1年生と調べ学習をした6年生も捕虜収容所の生活について発表。東日本大震災で被災した中学生が、西ノ島で成長する物語も上演した。

 山本さんの妻役で出演した3年の田口美緒さん(14)は「みんなのアドリブが利き、山本さんの勇気が伝わる舞台に仕上がった」と話した。