中国大会で優勝し喜ぶ松徳学院中女子バスケットボール部のメンバー
中国大会で優勝し喜ぶ松徳学院中女子バスケットボール部のメンバー

 東京五輪で日本が史上最高の銀メダルに輝き、注目を集める女子バスケットボール。島根県でも、松徳学院中(松江市上乃木1丁目)の女子バスケットボール部が8月の全国中学校体育大会(全中)で8強入りし、県勢女子で42年ぶりの快挙を果たした。今年はチームを率いて15年目の野津隆行監督が「勝負の年」と位置付けるほど、多彩な個性を持った選手がそろい、次の大会でも「旋風」の再現を狙う。チームを紹介する。 (報道部・景山達登)

 野津監督が就任以来一貫して指導してきたのが「粘り強い守備からの高速バスケットボール」。就任当時は市総体ですら勝つことができず、どうすればサイズ、スピード、スキルで勝る相手に勝てるかを考えた末にたどり着いたのが厳しい守備でボールを奪い、5人で攻撃に転じるスタイルだった。

 相手チームが自陣に戻る前に攻めるというわかりやすいスタイルだが、磨きをかけ続けることで、少しずつ結果につながっていった。

練習に励む松徳学院中の選手たち

 2018年には中国大会を制し、初めて全国大会に出場。当時のガードは、今夏の北信越総体で全国大会初勝利を挙げた松徳学院高の伊藤桜だった。

 伊藤は中学時代からずば抜けた得点能力を持ち、コンスタントに1試合20点を挙げるチームの柱。これだけのメンバーを擁しても全国大会で勝利を挙げることはできなかったが野津監督はあきらめなかった。

 8強入りしたメンバーは、全国大会に初出場した翌年の19年に入学。松徳学院高との合同練習などでレベルアップを図った。

 スターティングメンバーは、ガード2人、フォワード2人、センター1人。主将の坂元遥香、和田百加のタイプの異なる2人のポイントガードが攻撃を組み立てる。体を張った守備で相手の攻撃を止め、2人を中心とした速い攻めで得点するのが得意のパターンだ。

 中国大会では接戦を制して優勝。全中では、予選リーグで強豪の市川三(千葉)を2点差で破ると、勢いに乗り、準々決勝に進んだ。準々決勝では京都精華に敗れたものの、野津監督は「息の詰まる試合が何度もあった。それを一つ一つ乗り越えられた彼女たちは格段に成長できたはず。よくやってくれた」と選手たちをたたえた。

 26日には全国選手権の県予選が始まる。伝統のバスケットボールで再び「松徳旋風」を巻き起こすつもりだ。

 
♯4 ガード 坂元遥香 166センチの長身ガード。入学当初から野津監督がガードで育てると決意。ディフェンス力、シュート力とも高い。全中では苦しい場面で得点した。人望が厚くリーダーシップもある。
♯7 ガード 和田百加 U16島根県国体選手。入学当初から野津監督の期待が高かった。チームで最もスピードがあり、高速バスケットの原動力。全中では勝ちたいという思いをシュートに込めた。和田百加のために考えたセットオフェンスが複数ある。
♯5 フォワード 和田莉央 オールラウンドプレーヤー。169センチとチームで2番目に身長が高い。2年生の時からレギュラーだった。全中では序盤から果敢にシュートを放ち、チームに流れを引き寄せた。全中終了後、チーム内で一番調子を上げている。
♯6 センター 浅野凛 U16島根県国体選手。チーム最高身長の170センチ。オフェンスリバウンドが強い。松徳学院高との練習では主将の今若羽菜とマッチアップ。野津監督は「3年間で一番伸びた選手」と評価する。全中では試合の流れに応じたプレーを見せ、チームの柱となった。
♯8 フォワード 金津響 堅実なプレーヤーで、よく走る。野津監督の指導を誰よりも懸命にこなす選手。相手陣に果敢に切り込んでいく選手に育てようと、ドライブを磨いた。

 

♯10 フォワード 近藤友芽 控えだが重要な場面で出場することが多い選手。スタートの選手よりプレータイムが多い時もある。野津監督が「いつ使っても結果が出せる」と話すほど信頼が厚い。