シジミのビールを注ぐ原秀範社長=出雲市斐川町荘原
シジミのビールを注ぐ原秀範社長=出雲市斐川町荘原

 酒を飲んだ後の締めや二日酔いのお供といえば、しじみ汁を連想する方も多いだろう。熱々の一杯をすすると、うま味が染み渡り、二日酔いも和らぐ気がする。そんなイメージとは反対にシジミで酔わせる商品が登場した。シジミのエキスを加えた黒ビール「しじみBLACK423」。「酔えるシジミ汁」とは一体どんな商品だろう。

 発売したのは、シジミの漁獲から加工、販売までを手掛ける宍道湖(出雲市斐川町荘原)。新型コロナのあおりを受けて売り上げが落ち込む中、昨年6月に新商品の開発に乗り出した。原秀範社長(62)は、カキのビールがあることを知り「同じ二枚貝ならばシジミでもできるのではないか」と発案。小さいサイズや、殻の表皮がはがれた見た目の悪いシジミの有効利用にもつながると見込んだ。

 シジミは殻ごと煮だし、不純物を取り除いてからビールの製造過程で混ぜ入れる。製造は石見麦酒(江津市桜江町長谷)に委託した。試作を重ねた末に完成し、8月に地元の道の駅湯の川に並べると、10日ほどで約100本が売り切れとなり、想定を超える好反応を得た。

 1本(330ミリリットル)当たりの換算で、シジミ汁1杯分の50グラムのシジミを使う。肝臓の働きを助けるとされるオルニチンの含有量は分析中だが、「飲み過ぎる罪悪感を軽くできれば」と原社長は言う。

 実際に飲んでみると、思ったほどシジミの風味は強くないが、どっぷりとこくのある飲み口で少し独特。アルコール度数は6%あり、ぐびぐび飲むとすぐに酔ってしまいそう。

 そうしたら宍道湖産シジミのみそ汁をぜひ。シジミのループに誘うユニークな商品だ。

 1本750円。自社のオンラインショップ「しじみドットコム本舗」、道の駅湯の川などで販売する。 (藤本ちあき)