第三章 開花

 人からくん付けで呼ばれたのが初めてで、いっそう萎縮してしまう。両手でそっとおせんべいを持ち、唇で湿らせながらなるべく静かに、少量ずつかじり取った。成(なる)榮(え)の味気...