女性参政権の獲得運動をけん引し、女性の地位向上や差別撤廃のため生涯をささげた社会運動家の市川房枝(1893~1981年)。その存在感はいまなお薄れることはない。日本の女性が初めて国政選挙に参加してから80年となる2026年は、そのことをより意識させられる。

 市川の特質とは何か。その功績は何をもたらしたのか。そして、ジェンダー平等社会をいまだ達成できない私たちが学ぶべきこととは―。市川の出身地、現在の愛知県一宮市で研究者らが1月に開催したシンポジウムなどから探った。(共同通信編集委員・田村文)

 ■87歳で全国区トップ当選の衝撃

 シンポジウムは衆院選の公示2日前の1月25日、一宮市尾西市民会館で開かれた。近くの一宮市尾西歴史民俗資料館では「市川房枝~権利の上に眠るな~」展が開催中で、多くの人が訪れていた。

 司会は、市川房枝展の企画・解説を手がけた一宮市博物館の学芸員、宮川充史(たかし)さん。第1部は地元の人たちが市川の家族や郷...