山陰の選挙

平井 伸治 氏

平井 伸治 氏ひらい しんじ
肩書き 全国知事会長
出身 東京都出身
政党 無所属
現新 現職
年齢 61歳
最終学歴 東京大学法学部卒
住所 鳥取市東町1丁目
選挙事務所 鳥取市新町
最終更新日:2023年3月23日

第一声要旨

 

 コロナ禍による地域疲弊や物価高から、鳥取県を再興する。厳しい状況にある事業者に切れ目なく対策を打つ。畜産関係者も費用が上がって大変だ。小さい県でも、知恵と勇気と行動力さえあれば困難は乗り越えられる。

 食をアピールする「食のみやこ」をバージョンアップさせ「食パラダイス」を目指す。農業生産の振興、店での地産地消、県外への積極的なPRを進め、もう一度元気なふるさとをつくり上げる。

 2022年の推計出生数が前年比で増加したのは全国で鳥取だけだった。子育て王国」を掲げてやってきた政策がうまくいった。若い人たちの言葉を参考に、保育や医療の負担軽減を進め、産後ケアに取り組み、さらに安心して子育てできるようにする。

 大都会に憧れるのではなく、大都会が憧れる鳥取にする。

候補者の横顔

 

相手に届く話術を意識
 イベントでのあいさつなどで、駄じゃれや和歌を織り交ぜて聞き手を引きつける。身近で分かりやすい話術を意識するきっかけは、総務官僚時代にニューヨークにいた頃、機内で隣の座席になったアメリカの知事がテレビ出演の練習をしているのに居合わせたときだ。身ぶり手ぶりを交えて何度も繰り返す姿に「心をつかむように、相手に届くように表現するべきだ」と考えるようになった。

 県内にスターバックスの店舗が全国で唯一なかった時期に「スタバはないけどスナバがある」と発言。予想以上の反響があり「理屈を並べるよりも、テイストを加えて訴えた方が記憶に残る」と学んだ。以降は駄じゃれを意識的に使うようになった。「世間は駄じゃれと呼ぶけど、自分ではキャッチフレーズだと思っている」と笑う。

 スマートな印象を持つ人は多いが、東京の下町で育った江戸っ子で「導火線は短い方」と自己分析。理不尽だと感じると「顔に出る」という。

 ただ、話術を磨いても妻には議論では勝てず「私よりよっぽど口が達者」と頭が上がらない。

 鳥取市東町1丁目。61歳。

政策アンケート

(250字以内で回答してもらった)

(1)人口減

 知事就任後、移住定住推進や「子育て王国」にかじを切り、全国で唯一出生数増傾向へ反転、コロナ禍でも移住が増えた。移住支援や中山間の保育料無償化など、先導的子育て支援の成果だ。さらに地方に目を向け始めた若者の目線で人口減対策を改革する。子育て政策に加え、就業体験やアプリの活用によるI・J・Uターン促進で年間3千人の移住を実現し、副業・ワーケーションで関係人口を拡大。地域の買い物機能を守るため新たに「買い物安心確保事業」を展開し、地域・事業者と協議し、円滑な経営移転、地元主体の店、移動販売を支援する。

(2)コロナ

 医療従事者・事業者・県民の皆さんの協力で、感染者数全国最少でパンデミックを切り抜けられ、心より感謝申し上げる。この実績を基に、特に医療・高齢者施設の感染対策と、命・健康を守る医療提供確保に注力し、将来の感染症にも備える。医師会、病院と協議し、一般病床での受け入れを含め一層の外来・入院体制を確保し、医療・高齢者施設のクラスター対策、職員検査を展開。ウイルス変異調査や県民への情報提供などで、県民が適切に感染予防や療養を自ら行える環境を整え、自宅療養者のための相談・支援センターを新設する。

(3)物価高

 生活困窮者の光熱費支援に加え、国の支援対象外のLPガス料金対策、国を上回る畜産支援なども機動的に実施。全国初の「孤独孤立対策条例」に基づき、市町村などと連携して相談ネットワークや支援サービスを展開し、県独自で制度の狭間事案への助成も実践的に構築する。企業に対し全国より手厚い無利子融資や売上・粗利減少企業への支援を切れ目なく講じ、商工団体・金融機関とセーフティーネットを構築して、融資条件の見直しや伴走支援を実施。ホワイト物流など適正取引を普及し、雇用安定支援や福祉・医療施設光熱水費対策も行う。

(4)産業振興

 DX・脱炭素をはじめ、企業の技術革新や新分野挑戦を応援。また「食パラダイス鳥取県」を目指し、肥料・飼料高を克服し、農業堆肥施設も含め、農林水産生産振興を徹底し、国内外へのPR、地元の店・宿の振興を展開する。リスキリング、産業人材の育成・確保、新規就農拡大、皆伐再造林150ヘクタール達成を図り、今後10年間を目標に製造品出荷1兆円、農業生産1千億円へ再興する。マンガ、鉄道、自転車、サウナ、アドベンチャーなど魅力を磨き、大阪・関西万博出展や国内外航空路線充実で、外国人誘客を含め交流人口を飛躍的に拡大する。

(5)結婚、出産、子育て

 「子育て王国とっとり」を推進し、中山間・多子保育料無償化、高校までの小児医療費助成、不妊治療支援などの先導的子育て施策で、全国で唯一出生数増傾向へ反転。国の異次元の少子化対策も活用し、不妊治療、産後ケアなど成果の表れた施策を拡充し、保育料や小児医療費などさらなる子育て負担軽減を図る「シン・子育て王国とっとり」へ進化させる。結婚支援「えんトリー」を拡充し、「縁ナビ」やコーディネーターでのサポートを進め、「カップル倍増作戦」で出会い500組を実現。医療的ケア児の療育・教育・生活支援も拡大する。

(6)ローカル線

 私からJRや市町村に提案し、全国初の連携協定締結を実現した。観光列車での新たな需要獲得、駅周辺活性化などのまちづくりと連動した利用促進、通勤通学での公共交通活用、MaaS(マース)による鉄道・バス相互利用など、地域一丸で大切な公共交通の持続的発展を図る。JRの採算性指摘路線は東部地域交通まちづくり活性化会議で議論し、兵庫、岡山両県などと、あめつちなどの観光列車活用を含め機動的に対策を講じる。バス、タクシーなど地域交通の維持発展に向け、貨客混載や共助交通も含め、地域や事業者と連携して展開を図る。

(7)原発、エネルギー

 東日本大震災前、中国電力と国は本県と原子力安全を協議することはなかったが、強力に中電などに働きかけ、周辺自治体では全国初の安全協定を締結。協定をテコとして、安全を第一義に、今後の島根原発2号機の再稼働までの手続き段階で専門家の知見や地元市の意見に基づき、中電などに本県の考えを主張し独自の慎重な審査で安全を守り抜く。島根原発3号機も安全本位の慎重な対応に徹する。避難訓練支障事案については故障車排除で対処。今後も訓練を通じ避難計画向上を図り、既設拠点に加え県西部に原子力防災支援拠点を整備する。

(8)教育

 国際バカロレア校や県立夜間中学の開校に加え、県立高校の魅力化を図るほか、国制度を上回る小学校完全30人学級を実現。DXを駆使し学力向上を図り、全国2位のALT配置を生かした英語教育や「スーパー工業士」認定など情報教育を進め、スポーツやアートの分野も含め世界に羽ばたく人材を育成する。ふるさと教育やインターンシップなど地元理解や就職支援を強化し、ラーニングセンター機能を有する県立美術館を開館させ、生徒・学生の利用を進め、年間利用20万人を目指す。DXを活用した指導力向上や教育人材の育成・確保も強化。

 

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