松江市中心部を流れる堀川で水草が大量発生し、景観悪化を招いている。今夏の大雨で、河川から流入、群生したとみられる繁殖力の高い浮草が原因。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、観光客が戻り始める中、管理する市が対策を急ぐ。 (片山大輔)
根を張る水草のツツイトモなどの繁茂に悩まされてきたが、新たに、田んぼやため池で見られる浮草のニシノオオアカウキクサとアイオオウキクサが広がる。
市は今夏の大雨で、堀川とつながる河川から流入したと分析。長さ1ミリ程度の小さな葉が水面を覆う。
8月中旬ごろから生育範囲を広げ、現在は松江城周辺の約1・4キロで特に繁茂が目立つ。
高潮により、水を浄化させるための宍道湖や大橋川の水門が開けないことで、堀川の水の流れが悪くなり滞留、群生した。
堀川遊覧船の運航への影響や悪臭は出ていないものの、緑の葉の変色で水面が黄色や赤に染まる場所がある。8日に観光に訪れた東京都杉並区の大原恭之さん(67)は「きれいな方が気持ちいい。少し残念」と肩を落とした。
市は今月に入り、高潮の解消を受けて水門を開けるとともに、今後は職員や委託業者による人海戦術での除去を進める。市河川課の昌子郁夫課長は「気候や水位の状況を見ながら、できる対策をしていく」と話した。