新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、47都道府県庁所在地(東京は新宿区)のうち、松江市など53・1%に当たる25市区が予約受け付け方法の見直しを検討していることが16日、共同通信の調査で分かった。65歳以上の高齢者への接種券発送時期に関し、12市が12月と答えた。7市区も年内想定で準備中と回答。合わせて19市区(40・4%)となった。自治体が米ファイザー製、モデルナ製など複数のワクチンを同時に扱う可能性があることに27市区(57・4%)が不安だとした。
岸田文雄首相は3回目を12月から始める方針。まず医療従事者が想定される。続く高齢者らを含め、政府は具体的な計画や実務の詳細を明らかにせず、自治体には2回打った人全員を対象とする前提で、準備を進めるよう求めている。全体像を早期に示す必要がありそうだ。
調査は5~13日、47市区に実施した。
予約方法の見直しは当初、予約殺到で混乱したことが一因。「見直しを検討している」とした25市区のうち、松江市は、「予約に最適な時期の接種券発送や予約が集中しないよう分散化を図る」とした上で、2回目接種から8カ月を経過した人を抽出して、順に接種券を発送する方向で検討していると回答した。
新宿、静岡、熊本の3市区はあらかじめ日時や会場を指定する方法を挙げた。
「その他」と答えた13市も今後、協議して何らかの対策を講じるなどとした。鳥取市など残り9市は「検討していない」だった。
3回目で、モデルナを含め管理方法が違う複数のワクチンを扱う場合に「不安」とした27市区のうち、16市は「ワクチンの打ち間違い」を懸念点とした。これまで多くは主にファイザーだけを扱ったことが背景にある。
高齢者への券送付では、政府方針が明確でないとして「未定」とした自治体も目立った。方針が示されれば、年内に対応するケースが増える可能性がある。先行する見込みの医療従事者への券発送は、少なくとも31市区が11月からを予定または検討している。