新型コロナウイルス禍で2度目のおせち商戦が山陰両県で始まった。巣ごもり需要の高まりを受けて昨年の販売が好調だっただけに期待は大きく、百貨店各社は高価格帯や少人数向けの商品を充実させて顧客の取り込みを強化する。
JU米子高島屋(米子市角盤町1丁目)は店頭とオンライン販売で約1150種をそろえる。新型コロナ禍で正月を家で過ごす家庭が増えたことを背景に、昨年のおせちの売り上げは前年比12%増だった。今年は21日時点で35%増と勢いが増している。高価格帯の商品が好調といい、川上幸美販売促進・宣伝担当課長は「今年も旅行には行かず、『いつもと違ったものを食べてみたい』といったニーズから高級志向になっている」と分析する。
23日に予約受け付けを始める一畑百貨店(松江市朝日町)はカタログに少人数向け専用ページを作り、掲載を3点から8点に増やした。帰省が難しい家族に向けて贈る「冷凍おせち」は2倍の売り上げを目指す。
鳥取大丸(鳥取市今町2丁目)は「家飲み需要」を取り込もうと、ワインと一緒に楽しむ「おつまみ玉手箱」を用意した。カキとエビのアヒージョや牛ランプ肉のコンビーフなど多彩な25種を詰め込んだ。
安西啓介食品部長は、感染者数が落ち着いていることから年末年始の帰省が増えると予測。「昨年、何もできなかった分、豪華なおせちで帰省者をもてなすリベンジ消費が盛り上がるのではないか」と期待した。 (岩垣梨花)