島根県奥出雲町大馬木の金言寺でイチョウが黄葉し始めた。近くの水田に水を張って水面に映し出す「逆さイチョウ」が2年ぶりに現れ、かやぶき屋根の本堂と織り成す景観を目当てに多くの観光客が訪れる。3日ごろに最盛期を迎える見込み。
昨年は新型コロナウイルス禍を踏まえ、水を張るのをやめていた。イチョウは高さ33メートル、幹回り6・3メートル。樹齢は約400年と推定される。田中克彦住職(80)によると、樹齢約700年との伝承もあるという。鎌倉時代に碁で負けた当時の住職が碁盤を境内に置いたところ、芽が出て成長したと伝わる。県の天然記念物で、しまね景観大賞にも輝いた。
今年は例年より1週間ほど遅い10月31日ごろに色づき始めた。11月中旬には、風で散ったイチョウの葉が作り出す黄色のじゅうたんも楽しめる。土日曜、祝日は境内の駐車場は使えず、金言寺は近くの駐車場の利用を呼び掛ける。 (清山遼太)