世界遺産・石見銀山遺跡中心部の大田市大森町で、路線バスやレンタサイクル、観光施設で利用できる共通チケット「ぎんざんパスポート」が12日に発売される。各施設や交通機関で個別に料金を支払うよりも3割程度安くなる。大森町内で観光施設の共通券は過去にあったが、交通機関まで含めるのは初めて。
市が8日発表した。購入当日に限って使え、高校生以上が2800円、中学生1700円、小学生が1400円。リストバンド型で腕などに装着する。
銀山中核地域にある「大森代官所跡」から拠点施設の「石見銀山世界遺産センター」間の路線バスに乗車できるほか、大森町を周遊する電動カートとレンタサイクルでも使用可能。
世界遺産センター▽龍源寺間歩▽石見銀山資料館▽熊谷家住宅▽旧河島家▽羅漢寺|の6カ所が入場自由となる。
センターと大森代官所跡近くの「レンタサイクル河村」で購入できる。毎週火・水曜日は購入、利用できない。
市と地元企業でつくる共同事業体が、観光客の周遊促進と滞在時間の延長を狙い12月27日まで販売する。国土交通、環境両省の実証実験の一環で動線のほか、マイカーから転換が図れるかどうかなどを検証する。
市観光振興課の下垣英樹課長は「利用者の動きにどう変化を与えるかを調べ、今後の銀山観光の参考にしたい」と話した。
(錦織拓郎)