―物価高騰が続いています。
一品単価の上昇に伴って社の売上高は前年を超えている状況にありますが、家計の中で食費に占める割合が非常に高くなっています。異常事態と言えるような野菜やコメの値上がりもあり、家計の切迫具合はまだまだ先が予測できない状況にあります。

―2024年11月に創業70周年を迎えました。
お客さま、取引先の皆さま、社員をはじめ多くの関係者の方々に支えられ、感謝しております。次の80周年、90周年へ向かっていく中、よりお客さまに支持される会社にならなくてはいけないと気が引き締まりました。人口減少が進み、生き残るスーパーマーケットは限られてくるでしょう。地域に本社を置く企業として、目の前だけでなく県外資本の競合他社ともしっかり戦って利益を出せる店舗をつく作っていくという思いです。


―「人材創造」の言葉の下、人材育成に力を入れています。
人事制度をアップデートし、個人の能力をより評価する制度として24年4月に運用を始めました。3カ月ごとに目標を設定し、上司との面談を重ねながら業務上の課題の解決に取り組む「チャレンジシート」を活用して社員間でのコミュニケーションを深め、地道に、辛抱強く定着を進めています。人材育成の具体的な効果が出るまでに時間がかかるとは思いますが、ベースになる土壌が固まったと手応えを感じています。

―他社との競争が激化する中、社業で大事にされていることは何でしょうか。
決め手は人の力です。小売業である以上、商品力の強化も大切ですが、スーパーの優位性の構築には商品だけでは限界があり、どう売り場をつくる作るのか、仕入れた商品をお客さまにどう提供するのかが本分になります。全てに人が関わることであり、また、強みを発揮できる点でもあります。日々の生活に欠かせない「エッセンシャルサービス」の一つとして、お客さまに求められる人材育成に努めていきます。

食品スーパーは世の中になくてはならない存在です。派手さはありませんが、ごまかしもできません。お客さまからの信頼を勝ち取る商売とも言えます。一方、仕事を通して地域に貢献でき、責任感と誇りを持って真面目に取り組むことで必ず報われます。人生を懸ける価値のある仕事で、ぜひ目指してほしいです。

梅林 裕暁=米子市出身(48歳)東京での銀行勤務を経て、2008年に入社、13年から現職。