<短歌>

 ◇松江情脈短歌会(松江市)

暗闇の厨に蛍とまがいたり炊飯器等が小さく灯りて 田中智恵子

信号のその先に見えいる医院までバイク押しゆく豪雨の中を 平田  栄

「チョンギース」虫の音聞きつつ想い出す遠き昔の麦藁細工 野津イマ子

宍道湖も空も私も街並みも真っ赤に染まるけふの夕日に 大野 明美

岸の辺の葛のつる伸びよるべなく風に遊ばれ初夏の日を浴ぶ 室〓(崎の大が立の下の横棒なし) 和子

コロナ禍の二度目の夏も涼やかにうすくれないの百日紅揺る 松本久美子...