「女性クラブYUI」の第3回トークイベントで講演する林真理子さん=松江市殿町、島根県民会館
「女性クラブYUI」の第3回トークイベントで講演する林真理子さん=松江市殿町、島根県民会館

 山陰の輝く女性を応援する「山陰中央新報女性クラブYUI」の第3回会員限定トークイベントが17日、松江市殿町の島根県民会館であった。作家の林真理子さんが人生や作品の裏話を語り、約570人の会員が聴き入った。

 2018年のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」の原作を手掛けた林さんは、偉人をテーマにするのが不得手だったが「私なりの西郷隆盛を書けばいい」と開き直り、執筆した逸話を披露。女性中心だった読者が全世代に広がり、「転換期になった」と振り返った。

 30年来の親交があり、9日に亡くなった瀬戸内寂聴さんとの思い出も語った。6月に瀬戸内さん宅を訪れた際は元気で「私が死んだら私のことを書いてね」と頼まれたという。「性格も馬も合い、自分で言うのもなんだが一番かわいがられた。さみしくて仕方がない」としのんだ。

 瀬戸内さんやデビュー前のコピーライターだった当時の先輩、糸井重里さんに言われた「物書きは書いて書いて書き抜く」との言葉が人生訓となったとし、「これからも愚直に書いていきたい」と力を込めた。

 「女性クラブYUI」は山陰中央新報社が立ち上げた女性向け会員組織。各界の著名人を招いたトークイベントはこれまで、料理愛好家の平野レミさん、ジャーナリストの池上彰さんが話した。

 第4回は、来年3月21日、県民会館で国際文化人のデヴィ・スカルノさんが講演する。

 (広木優弥)