新型コロナウイルスワクチンの3回目接種について、島根県の丸山達也知事が19日、県分として国から配分予定のワクチン約23万回分のうち、約9万回分がモデルナ製のワクチンだと明らかにした。1、2回目のワクチンは大半がファイザー製だったが、3回目は異なる製品を打つ「交差接種」を前提とした配分となっており、丸山知事は「ファイザーを打ちたくても相当の人が交差接種せざるを得ない。こうした点を政府は何も説明していない」と批判した。

 県感染症対策室によると、県内では18日時点で2回接種を終えている51万5千人のうち48万9千人がファイザー製。3回目用のワクチンは12月から来年1月までの接種用に約3万回分が、2~3月に約20万回分が配分される予定。

 丸山知事は会見で「国民と対話し、理解を得て進めなければ混乱を招く。これまでの反省が生かされていない」と苦言を呈した。

 県によると交差接種を巡っては、感染を防ぐ抗体の量が増えたとの研究があるほか、副反応の発生頻度は1、2回目と同程度で、症状に目立った変化は報告されていないという。

 (佐々木一全)