政府は19日、新型コロナウイルス感染症対策本部を持ち回りで開き、感染対策の指針「基本的対処方針」を改定した。イベントや飲食店の人数制限を撤廃するなど、行動制限を緩和。月内に適用するが、都道府県の手続きが必要なため、開始時期は地域によって違いが出そうだ。緊急事態宣言下で企業などに一律で求めてきた出勤者7割削減の数値目標も撤廃。流行「第6波」に備えて医療提供体制を強化することも盛り込んだ。

 改定した対処方針には流行「第6波」に向けて、既に政府が決定した対策の「全体像」も盛り込んだ。医療提供体制強化やワクチン接種促進、治療薬確保に取り組むとした。介護施設の面会も取り上げ、ワクチン接種済みか検査で陰性であれば、直接会っての面会を検討するよう施設側に求めることも記載した。

 接触機会を減らすために掲げた「出勤者の7割削減」の数値目標は削除した。テレワーク推進は引き続き求める。経団連が、ワクチン接種の進展を理由に見直しを要請していた。

 政府は9月末で宣言などを解除した後も、飲食店には人数制限を求めており、声援や歓声などの大声を出さないイベントの人数は「5千人」か「収容定員の50%」の多い方を上限としてきた。飲食店の人数制限を撤廃し、イベントでは都道府県への感染防止安全計画の提出を条件に上限をなくす。

 今後、宣言が発令された場合でも、ワクチン接種済証か検査の陰性証明を提示するワクチン・検査パッケージを活用することで、飲食店利用時の人数制限をなくし、イベントでも定員の100%まで収容できるようにする。

 医療提供体制については、今年夏のピーク時と比べて3割多い約3万7千人が入院できる体制を今月末までに構築すると明記した。