オミクロン株を巡る経過
オミクロン株を巡る経過

 政府は30日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が日本で初めて確認されたと発表した。感染が分かったのは28日に成田空港に到着したアフリカ南部ナミビアの30代の男性外交官。7月に米モデルナ製ワクチンの2回接種を済ませていた。同じ飛行機に乗っていた乗客は70人で、1人発熱したがいずれも陰性。政府は今回を含め当面、オミクロン株感染者と飛行機に同乗した人は通常より対象を広げて全員、濃厚接触者とし、健康状態を観察する。

 オミクロン株は、感染力が増したり、ワクチンが効きにくくなったりしている可能性が指摘されている。各国でアフリカ南部からの渡航を制限する動きが拡大するなど厳戒態勢に入っていた。

 厚生労働省によると、男性は入国時は無症状だったが、29日に発熱した。入国時の検査で陽性と判定され、ウイルスのゲノム(全遺伝情報)を解析した結果、オミクロン株と判明した。男性は医療機関で隔離中。

 同乗の70人は男性の家族2人を含み、いずれも宿泊施設や自宅で待機している。政府は体調の報告や居場所の確認に応じない場合は氏名を公表する。

 感染者初確認を受け、厚労省は、オミクロン株感染が確定した人と疑われる人は、陰圧管理した個室に入院させるよう自治体に求めた。岸田文雄首相は、関係閣僚と官邸で対応を協議した。

 国立感染症研究所の脇田隆字所長は30日、記者会見で「基本的な感染対策に加えて3密(密閉、密集、密接)を避けるなどの対策をしていくべきだ」と述べた。

 世界保健機関(WHO)は26日、オミクロン株を最も警戒レベルが高い「懸念される変異株(VOC)」に指定した。

 感染研などによると、オミクロン株には、人の細胞に侵入して感染する際の足掛かりとなる突起状の「スパイクタンパク質」に約30の変異がある。重症化しやすいかどうかなどの特性は分かっておらず、WHOなどが調べている。