日本の近現代史を俯瞰(ふかん)していると、特に戦後の政治史で、ある一定の法則があるように思う。強権政治や独善的な政策が見られた後は、必ずと言っていいほど融和的な政策がとられるのである。それも同じ与党・自民党の政権によってである。

 まさに振り子の論理でもあるが、中正的な立場の模索、保守政治の広がりといった特徴をもつ。戦後政治で、この現象が最も顕著なのは昭和...