能面の作り方を説明する杉原茂毅さん(中央)=松江市玉湯町玉造、出雲玉作資料館
能面の作り方を説明する杉原茂毅さん(中央)=松江市玉湯町玉造、出雲玉作資料館

 【松江】約40年にわたり能面作りを趣味とする松江市玉湯町布志名の杉原茂毅さん(86)の作品展が、同町玉造の出雲玉作資料館で開かれている。怒りや悲しみ、楽しさなど多様な表情の能面16点が日本の伝統文化の奥深さを伝えている。26日まで。

 杉原さんは京都市内に住んでいた50歳前、能面作りの教室に参加。制作技術を学ぶうち、表情の細かな表現など奥深さに魅了された。

 作品展には、女性の内なる怨念や情念、嫉妬、怒り、悲しみを凝集して表した「般若(はんにゃ)」や、口笛を吹くように口をとがらせ、おどけたような表情が特徴の「空吹(うそぶき)」など、さまざまな面が並ぶ。

 訪れた和田伯史さん(70)=松江市玉湯町湯町=は「表現が細かく、すばらしい」と感嘆。杉原さんは「奥深い世界に少しでも多くの人が興味を持ってくれればうれしい」と話した。

 (古瀬弘治)