JR西日本米子支社の佐伯祥一支社長(右端)に要望書を手渡す丸山達也知事(中央)と平井伸治知事=米子市末広町、米子コンベンションセンター
JR西日本米子支社の佐伯祥一支社長(右端)に要望書を手渡す丸山達也知事(中央)と平井伸治知事=米子市末広町、米子コンベンションセンター

 JR西日本米子支社が来年3月のダイヤ改正で特急を含む45本を減便することを受け、島根県の丸山達也知事と鳥取県の平井伸治知事ら沿線自治体6首長が19日、方針を見直すよう同社の佐伯祥一支社長に申し入れた。佐伯支社長は、需要の減少などを背景に「利用状況に合わせたダイヤの見直しをせざるを得ない」と話し、議論は平行線をたどった。

 米子市内であった会合で要望書を手渡した丸山知事は、新型コロナウイルスの感染拡大で、ビジネスや観光利用の需要が低下している現状を理解しつつ、大幅な減便は県民の利便性を著しく低下させ、県民生活に大きな影響を及ぼすと指摘した。「気持ち的には要望ではなく要請だ」と見直しを求めた。

 平井知事も、鉄道は通勤や通学、通院など地域の重要な移動手段であり、単なる経営効率で運行本数を判断するものではないと強調し「ローカルを切り捨てないでほしい」と訴えた。

 要望書を受け取った佐伯支社長は「皆さまのお気持ちを受け止める」と述べたものの、要望を受けた見直しの検討には言及しなかった。

 会合後、平井知事は「今回のダイヤ改正はわれわれの許容限度を超えている。乗客が減ったのでしようがないでは許されない」と語気を強め、中国地方や関西地域の府県など広域的な枠組みで交渉する考えを示した。

  (岩垣梨花)