松江市立湖北中学校1年の兵主(ひょうす)瑠聖(りゅうせい)さん(13)がボクシングの全国大会出場を決め、練習に励む。全日本アンダージュニア(UJ)王座決定戦の中学生男子57キロ級で中国地方の頂点に立ち、別の大会で来春の全国切符をつかんだ。同じ系列ジムの先輩に当たる東京五輪ボクシング女子フェザー級金メダリスト入江聖奈さんの活躍にも刺激され「目標は五輪」と夢を膨らませる。 (佐貫公哉)
5歳の頃、テレビで試合を見て興味を持ち、シュガーナックルボクシングジム松江店(松江市西津田2丁目)に通い始めた。小学5年になると高校生や会社員らに交じり本格的に鍛錬。6年時の昨年、技量認定試験を受けて公式試合の出場資格を得た。
ジャブを重ねて主導権を握る技巧派。昨年は新型コロナウイルス禍で大会が軒並み中止となり、腕試しの場がなかったが今年6月、全日本UJ王座決定戦の中学生男子57キロ級でデビューすると、いきなり中国ブロック大会で優勝と頭角を現した。中国ブロック大会の勝者決定戦では、広島県の中学3年のハードパンチャーの攻めを着実に防いで反撃し、得点を重ね判定勝ちした。
7月の西日本ブロック大会で敗退したものの、今月5日、全日本UJフレッシュ大会の中国選考会で再び中国地方代表となり、来年3月に北海道である全国大会に挑む。指導するシュガーナックル松江店の広沢倫明会長(42)は「中学1年生でここまで活躍するのは珍しい」と目を見張る。
現在の夢は未来のオリンピアン。シュガーナックルボクシングジム米子店(鳥取県米子市久米町)に通った入江さんとは練習を共にしたこともあり、金メダル獲得に奮起を促された。「練習を積みかさねれば夢はかなうはず」との思いを胸に一歩ずつ歩みを進める。