登山者(左)にスマートフォンを使った登山届の提出方法を伝える警察官=鳥取県大山町大山
登山者(左)にスマートフォンを使った登山届の提出方法を伝える警察官=鳥取県大山町大山

 本格的な雪山シーズンを迎え、鳥取県警と県山岳・スポーツクライミング協会が29日、国立公園・大山(1729メートル)でパトロールを始めた。登山者に防寒具や食料、携帯電話の予備バッテリーなどを持参するよう呼び掛け、天候と体調の具合次第で途中下山を判断する心構えを説いて事故を未然に防ぐ。

 年末年始は1月3日まで毎日巡回する。その後、8日から3月21日にかけて土曜、日曜、祝日に実施。パトロール隊員が5人ずつ琴浦大山署大山寺駐在所から夏山登山道を歩いて山頂へ向かい、登山道周辺の状況確認や登山者に注意喚起するほか、事故が発生した場合は救助活動を展開する。

 初日は出発を前に、県警大山遭難広域救助隊の吉村弘通副隊長が「積極的な声がけと気象情報の提供を心がけよう」と隊員13人を激励。登山道に近い南光河原駐車場などで登山者に、単独行を避けて登山届の提出を促すチラシを配った。

 呼び掛けに応じ、スマートフォンを使って登山届を出した宮崎県都城市の会社員西谷昌明さん(45)は「手順は分かりやすく、手軽で便利だ」と話した。

 県警によると、独立峰の大山は季節風を直接受けるため、厳冬期の危険性が3千メートル級の山に匹敵する。昨冬は4件の遭難事故が発生。年間では今月28日現在、過去10年で最多となる21件の事故が起きた。
      (田淵浩平)