石蔵 文信氏
石蔵 文信氏

男もつらいよ!中高年のメンタルヘルス

 妻とけんかできる関係に

 山陰中央新報社の米子境港政経クラブ定例会、島根政経懇話会定例会が5、6の両日、米子市、松江市でそれぞれ開かれた。医師で大阪大招へい教授の石蔵文信氏(64)が「男もつらいよ!中高年のメンタルヘルス」と題し講演。妻との良好な関係づくりの秘訣や、うつ病への対処方法など、中高年男性が健康的な生活を送れるよう助言した。要旨は次の通り。

 夫の行動や存在がストレスとなり、耳鳴り、目まい、不眠などの症状が妻に現れる「夫源病」を提唱してきた。意外に思われるかもしれないが、夫婦げんかが解決法の一つ。信頼関係の上で、お互いが抱えていることを思う存分はき出すことが大事だ。

 妻を対等なパートナーと見ることが大切。名前で呼ばないなど、家政婦扱いや、男尊女卑と受け取られるような行動をしていては、けんかができる関係になれない。熟年離婚に発展するかもしれない。

 手だてとして、男性には料理を勧めたい。シンプルな味付けの簡単な料理でいい。生活的に自立でき、尊敬されるだけでなく、食材や調理法などに興味が湧いて妻との会話が弾む。

 体調が悪いときは、メンタルヘルスを気に掛けてほしい。吐き気や頭痛に苦しんだある男性は、内科や脳外科などを巡ったが「異常なし」と診断された。メンタルを疑い、男性更年期外来を訪ねると「軽度うつ」だったと分かった。

 「ほほ笑みうつ病」と名付けるケースもある。男性はプライドが高いため、うつと診断されるのを避けようと、医者の前で気丈な態度を崩さず笑顔を見せるような状態だ。後でこっそりと妻に話を聞くと、体重減少や不眠状態が隠れている場合がある。

 自分自身だけでなく周りへのケアも大事だ。同僚でうつを患った人が職場復帰をする際は、特別視しないでほしい。相手のモチベーションが下がらない程度に、仕事配分を考えて、疎外感を与えないことが重要だ。