<短歌>

 ◇法吉公民館短歌会(松江市)

住職の法話によれば十九年に生まれて戦死の父を知らずと 上野 里子

秋立ちぬ涼しき風の吹きわたりよもの田んぼも黄金の波に 福間美和子

先駆けててっぺんに咲く一輪の紫冴ゆる野牡丹の花 室崎 和子

杜鵑草・秋明菊の咲く庭に訪いくる秋のさやかなる風 須田 芳子

生薬をことこと煎じる厨べに近くて遠き都会の隣家 高野 由美

よく降るねそれでも虫が一匹で鳴きだしている一人の夕餉 日野...