相談窓口の看板を設置する川本由美子所長(左)と平井伸治知事=鳥取市江津、福祉相談センター
相談窓口の看板を設置する川本由美子所長(左)と平井伸治知事=鳥取市江津、福祉相談センター

 病気や障害のある家族の介護や幼いきょうだいの世話をする18歳未満の子ども「ヤングケアラー」の相談窓口が鳥取県内3カ所の児童相談所に開設された。支援の手が届きにくいヤングケアラーを掘り起こし、当事者や保護者の悩みを聞いて必要な支援につなぐ。

 ヤングケアラーは、子どもにとって重いケア負担から、学業や進路に支障を来す問題が指摘されている。家庭内のことで表面化しにくく、埼玉県が高校2年生を対象に実施した全国初の実態調査では約25人に1人いると判明。鳥取県は県内にも一定数いるとみて、相談の受け皿をつくった。

 県は相談窓口のほか、教育・行政関係者が実情と対策を学ぶフォーラムや研修会を開き、県民への啓発活動にも力を入れ、本格的にヤングケアラー支援に乗り出す。2021年度一般会計当初予算に事業費230万円を計上した。

 中央児童相談所のある鳥取市江津の福祉相談センターで1日、相談窓口の設置式があり、平井伸治知事と川本由美子所長が看板を掲げた。平井知事は「ヤングケアラーの問題が顕在化することで、いろいろな人が問題意識を感じ、相談窓口に問い合わせしてもらえればと思う。いろいろな声を聞き、対策を発展させていきたい」と述べた。

 相談窓口の電話番号は、東部が中央児童相談所=0857(29)5460▽中部が倉吉児童相談所=0858(22)4152▽西部が米子児童相談所=0859(33)2020。いずれも平日午前8時半から午後5時まで対応し、必要に応じて面談も行う。

      (福間崇広)