完成した病児・病後児保育と休日応急診療所の専用建屋=浜田市田町
完成した病児・病後児保育と休日応急診療所の専用建屋=浜田市田町

 浜田市の病児保育が11日、4年4カ月ぶりに再開される。直営で対応が難しかったため、病後児保育と併せて民間事業者への指定管理に切り替え、専用建屋を新築して設備を整えた。田町に設けた建屋には市本庁舎(殿町)から休日応急診療所とともに移る。

 病児・病後児保育はもともと小児科医院に委託していたが、2017年8月に休止。病後児については18年9月以降、市直営として本庁舎地階で受け入れてきた。ただ、ニーズが高い病児保育はノウハウ不足で対応できていなかった。

 設備が不十分だったことに加え、新型コロナウイルス禍で感染対策を迫られ、同様の課題が持ち上がった休日応急診療所とともに庁舎外に出すことを決め、専用建屋整備を進めていた。事業費は1億3100万円。

 建屋は木造平屋で保育区画(床面積90平方メートル)と診療所区画(108平方メートル)は行き来できない構造にしてある。保育区画は、子どもを預かる保育室と観察室が計4室あり、子ども用トイレを備える。運営は介護関連事業のFromハート(田町)が請け負う。利用はあらかじめ医療機関を受診し、診療情報提供書の提出が必要。開館時間は平日の午前8時~午後6時。原則、前日までに予約する。利用料は1時間100円。

 市子育て支援課の龍河章江課長は「今までご不便をかけた。困った時は利用してもらいたい」と話した。

 休日応急診療所の運営は現行と変わらない。市医師会が日曜と祝日の午前10~11時半、午後1~2時半に受け付ける。新建屋は9日に利用を始める。

 病児・病後児保育を巡っては、小児科医院への委託時に保育士や看護師の配置に問題があったとして元従業員が市を相手取り、医院に補助金返還を求めるべきだとして21年6月、松江地裁に提訴。市は、問題はなかったとして争っている。
      (勝部浩文)