島根県と鳥取県が6日、新たに計44人(島根20人、鳥取24人)が新型コロナウイルスに感染したと発表した。いずれも5日の検査分で、1日当たりの感染者数が2桁となったのは島根が69日ぶり、鳥取が112日ぶり。鳥取県は変異株「オミクロン株」の県内初確認も発表し、第6波突入を宣言した。山陰でも感染再拡大の傾向が鮮明となった。
(佐々木一全)
島根の感染者の内訳は松江市6人、出雲市4人、浜田市2人、大田市2人、益田市、安来市、川本町、隠岐の島町、西ノ島町、県外がそれぞれ1人。19人が既に確認された感染者との接触や、12月中旬以降に県外移動歴がある。
川本町の1人は県川本合同庁舎(川本町川本)4階に勤務する県職員。不特定多数と接触する業務ではないという。同階の職員51人にPCR検査を実施し、7日まで職員7人態勢に縮小して業務に当たる。
鳥取の内訳は米子保健所管内23人、鳥取市保健所管内が1人。うち21人は既に確認された感染者との接触や県外移動歴がある。22人はオミクロン株の疑いがある。また、4日に発表した感染者4人のうち3人が、全ゲノム解析により県内で初めて同株と確定した。
鳥取県は原則全員入院の方針を見直し、医師の判断で宿泊施設や自宅での療養に切り替える。同株感染者の濃厚接触者は自宅で健康観察する。
両県で5日に確認された感染者は全員、軽症か無症状。島根県感染症対策室の田原研司室長は「オミクロン株は重症化しにくいとの報告もあり、見逃しが懸念される。軽症でも積極的に医療機関を受診してほしい」と呼び掛けた。
即応病床使用率は島根(202床)が31・2%(6日午後4時時点)、鳥取(213床)が4・2%(同午前0時時点)で、重症患者はいない。島根は1月以降、確保病床を8床増の368床とした。