ドライブスルー方式の特設検査所を訪れた市民(右)に検査方法を説明するスタッフ=松江市学園南1丁目
ドライブスルー方式の特設検査所を訪れた市民(右)に検査方法を説明するスタッフ=松江市学園南1丁目

 新型コロナウイルスの感染急拡大を背景に、症状がない人でも無料でPCR検査や抗原検査が受けられる島根県内の民間薬局や特設検査所に希望者が殺到している。予約枠がすぐに埋まったり、検査キットが足りず、希望する検査を受けられないケースも生じている。
(多賀芳文、平井優香)
 県による無料検査の対象は、感染者の急増を受けて13日から「感染に不安を感じる無症状の県民」に広がった。民間薬局や企業などが検査キットの受け渡しと検体回収の業務を請け負い、県内8市と邑南町の20カ所で月末まで実施する。
 このうち17カ所が事前予約制で、松江市学園南1丁目のドライブスルー方式のPCR特設検査所を運営する営業代理店エブリプラン(松江市北陵町)によると、13日の予約枠(96人分)は受付開始の直後からコールセンターの電話が鳴りやまず、前日に埋まったという。14日以降も同様の傾向だ。
 予約なしでPCR検査か抗原定性検査が受けられるウエルシア薬局浜田田町店(浜田市田町)では連日、営業時間前から検査希望者が列をつくる。ただ、PCR検査はキット数の在庫が十分になく、担当者は「多くの人をお断りしている状況だ」と説明。店内に専用窓口を設ける必要もあり、処方薬の調剤といった通常業務へのしわ寄せも懸念される。別の薬局の担当者は「検査業務に協力したい気持ちと現場がパンクしないかというジレンマがある」と打ち明ける。
 新変異株「オミクロン株」は感染力の強さが特徴で、松江市内の女性介護士(32)は「仕事柄、施設の皆さんに迷惑を掛けられない」と話し、14日午後に無料のPCR検査を受検した。学校関係者の感染に伴う小中学校の臨時休校が相次ぐ出雲市内では「子どもが通う学校で陽性者が出たため職場から念のため受けるよう言われた」「濃厚接触者と接触した」との問い合わせが民間薬局に多く寄せられている。
 いずれの検査も精度は100%ではなく、抗原定性検査を取り扱うファーマシィ薬局出雲中央(出雲市姫原4丁目)の宝大寺淳薬局長は「気が緩めばかえって感染が広がる恐れもある。結果を信用しすぎないでほしい」とくぎを刺すものの、検査ニーズは今後さらに高まるとみられる。
 無料検査の実施場所をホームページで紹介する県はこうした状況を踏まえ、協力事業者を増やして無料検査所を拡充する考えだ。