俳句 栗原 稜歩選

手水舎の水音冴ゆる夜明けかな   海 士 田口  耕

 【評】早朝の参拝での手水舎の光景が清澄な言葉の調べで鮮やかに描かれている。「水音冴ゆる」の措辞に作者の心象風景を見る思いがする。

秋灯下余韻楽しむ入選句      松 江 三原 美延

 【評】朝まだ暗いうちに届けられる新聞を待ちかねて届くとすぐに部屋に持って入って読んだ作者。秋灯の許でのナイーブな感性が伝わってくる。

枝ゆすり仕上げ確かむ松手入    浜 田 本田  勉

年用意水遣(みずや)に遺す母の茶器     奥出雲 重親 利行...